堆肥と肥料の違いを初心者でもわかりやすいように解説してみた

2023/07/17

どうも、大麻を育てるニューヨーカーことKei(@chill_5000)です。前回「元肥と追肥の違いを初心者でもわかりやすいように解説してみた」で元肥と追肥について解説したんだけど、もう1つ「堆肥」と「肥料」についての違いもまとめたいと思う。

ちなみに自分がタイで管理してる畑も土がカチカチで、「痩せた土地」になっていました。痩せた土地では水や肥料をいくらあげても植物はうまく育ちませんので堆肥を入れて、土をふかふかにする必要があります。

堆肥とは?

堆肥の役割は微生物を土に入れて、畑を作物がよくできる土の状態にするために使われます。土の中に堆肥を入れることで微生物が増えて有機物を分解し、植物が栄養を吸収できる形にするために堆肥が使われます。また、堆肥を使うことで微生物が増えて、病害虫菌の抑制にも繋がります。

山をイメージしてもらえるとイメージがつきます。山には豊富な土があり、そこには植物や動物がたくさんいて、雨や風など自然現象の中にあります。そして、植物は一定期間を過ぎると葉や実が土の上に落ちますし、動物もそれらを食べてウンチを土の上にします。だけど、それらがずっと土の上にあるわけではないですよね?なぜそれらが跡形もなく土に帰るかというと「分解」をして土の中に戻り、結果として肥料が豊富に含まれた土が完成します。

では、堆肥の種類は大きく分けて「動物性の堆肥」と「植物性の堆肥」の2種類あります。

動物性の堆肥

動物性の堆肥は「牛糞」「豚糞」「鶏糞」「馬糞」そして、日本でも100年前まで使われていた「人糞」も動物性の堆肥の1つです。勘違いしがちなんですがこれらの糞はそのまま使われるのではなく、完熟&発酵された状態で使われます。なので、糞をそのまま入れるんではなく、発酵させて、分解されたものがホームセンターなどで売られています。

これは豆知識なんですが日本では100年以上前は人糞堆肥が野菜を育てるときにも使われており、特に江戸城の城下町では高値で売買されていた論文も残っています。理由としては江戸城に住む人々は栄養素の高い食べ物を食べており、彼らの人糞は栄養素が高いこともあり農家でよく使われていました。ですが、第二次世界大戦後にマッカーサーが日本で口にした食べ物から大腸菌やアメリカでは発見されていない細菌が発見された為、人糞は使われなくなりました。だけど、100年前は普通に農家でも人糞が使われてたのが現実です。

植物性の堆肥

植物性の堆肥は「バーク堆肥」「稲藁堆肥」「腐葉土」「籾殻堆肥」が代表的です。これらは植物を発酵させて作った堆肥で、バーク堆肥は伐採した樹木の皮、稲藁堆肥は稲わら、腐葉土は落ち葉、籾殻堆肥はお米の殻を堆積し、発熱発酵させた有機肥料のことを言います。

動物性と植物性のどっちが良いのか?

動物性と植物性のどちらの堆肥を使うかは「肥料成分」と「分解成分」のどちらを取るのかで変わります。代表的な堆肥で解説します。

①鶏糞
②豚糞
③牛糞
④馬糞
⑤腐葉土
⑥籾殻

この6つは「肥料成分」を軸に考えると①→⑥にかけて弱くなり、「分解成分」を軸に考えると⑥→①にかけて弱くなります。つまり、鶏糞は肥料成分は多いけど、分解する力がないので土をふかふかにするには向いてないし、籾殻は分解する力は強いのでふかふかになるけど、肥料成分がないので肥料を足さないといけない。

さらに分解をする際に「窒素」を多く使うので籾殻を入れて、土がふかふかになったとしても植物を育てるのに必要な「窒素」「リン酸」「カリ」の1つ「窒素」が足りない土ができてしまい、そのまますぐに使うと植物が元気に育たないという結果になってしまう。これは籾殻だけではなく、何か有機物を分解するときは必ず窒素を持っていかれることを忘れてないように。

記事を書きながら「窒素が持っていかれると」と書くと無くなっている感じがするけど、そうじゃなくて「蓄えられてる」と書いた方が正しい気がする。なので、蓄えられた窒素は長い時間かけてジワーっと効いてくる。即効性はないけど、長い目で見ると窒素が豊富な土になってるという感じかな。

また、分解を促すために動物性の堆肥と一緒に混ぜたり、「石灰」を入れたり、家庭内で簡単に手に入るものだとキッチンで出る野菜くずや果物の皮やコーヒーのカスなどを入れることで窒素不足を解消することができるよ。

まとめると動物性の堆肥は肥料成分が豊富な土だけど、土壌改良には向いてなくて、植物性の堆肥は土壌改良(通気性、排水性、保水性)には向いてるけど、肥料成分が動物性の堆肥に比べて圧倒的に弱いという感じ。

自分の畑では牛糞と鶏糞を巻いていて、「タイ嫁が借りてる大麻ファームに鶏糞800kg撒いて畝作りとマルチを引いてきた(前編)」の記事で800kgの鶏糞を撒いた時の体験談を書いてるので読んでね。

堆肥を仕込んで、使うタイミング

堆肥はすでにある土に混ぜて使うのですが、混ぜる量としては1平方メートルに2,3kgというのが一般的で、「混ぜたらすぐに使う!」ではなく、種まきや苗植えをする2週間前には準備をしておくのが一般的。量も期間も季節や育てる作物によっては違うけど、量も期間も一般的な量と期間を参考にすればいいかと。

もし時間があるなら1ヶ月寝かすと良い。理由としては未熟な堆肥を使うと発酵途中なので微生物が窒素を取っている状態になるので植物に窒素がいかず、「窒素飢餓」の状態になってしまうのと微生物が働くことでアンモニアが発生するのですが、これが植物の根っこに良くないので根っこがうまく伸びないのと微生物が分解中は土の中は熱を持っている状態になり、50度から70度の熱を持つと言われており、この環境で植物が元気に育つことはないです。

なので、堆肥を使う場合は必ず完熟させてから使ってください!そして、堆肥も肥料なので違うわけではないですが、堆肥だけでは植物は健康に育たないので追肥をしっかりして健康な植物を育てましょう!
(関連記事:元肥と追肥の違いを初心者でもわかりやすいように解説してみた

最後に動物堆肥について知り合いの農家さんが言った言葉で締めます。動物堆肥は「動物のうんち」なので何を食べているかでうんちの中にある栄養素が大きく変わります。例えば馬糞は肥料成分でいうと鶏糞や豚糞や牛糞に劣りますが、競走馬のサラブレットの馬などは非常に良い食事をしてるので彼らのウンチは栄養素が下手したら鶏糞や豚糞や牛糞よりもあると言ってました。

農業は正解がないからこそ、経験と実験の繰り返し!土づくりをする人はこの記事を参考に土を作ってみて!

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