農業初心者向けに発酵と腐敗を農家目線で説明してみた

2023/07/26

どうも、大麻を育てるニューヨーカーことKei(@chill_5000)です。先日農家さんから「発酵と腐敗の違いわかる?」と聞かれて答えれなかった。発酵と腐敗は何度も有機栽培について調べてると出てくるキーワードなので勉強するために発酵と腐敗を農家目線で説明してみた。

なぜ発酵と腐敗の違いを知ることが重要なのか

農業において発酵と腐敗の違いを理解することは、土壌改良や作物の育成に直結する重要なポイントです。発酵や腐敗が土壌中の栄養素や微生物に与える影響を把握することで、効果的な土壌づくりや栽培方法を選択することができます。また、発酵と腐敗が持つメリットとデメリットを理解することで、効率的な有機農法の展開や土壌の持続的な健全化に繋がります。

発酵と腐敗の違いとは?

めちゃくちゃ簡単に発酵と腐敗の違いをいうと有機物を自然的に土の上に落ちて分解されることを「腐敗」といい、意図的に土の上において分解されることを「発酵」を言います。

発酵とは?

発酵は意図的に特定の微生物(乳酸菌や酵母など)を利用して有機物を分解・変化させるプロセスのことを言います。この過程で微生物が有機物を分解して、新たな物質や栄養素を作り出します。

メリットとしてはコントロールしながら土に必要な栄養素を追加できることです。有機物を入れて微生物に分解させることで、新たな物質や栄養素を作り出すことができます。しかし、デメリットとしては分解時に熱が発生するため、すぐに使用することができないことや分解をする際に窒素が取られるため、別途窒素を追加する必要があることです。また、発酵が不完全な状態で栽培に使うと、土が元気に育つことが難しい可能性が高くなります。

腐敗とは?

腐敗は有機物が自然な過程で微生物によって分解・劣化するプロセスのことを言います。発酵と違って意図的に入れるわけではなく、自然にある木の葉が土の上に落ちて時間をかけて腐敗したり、死んだ動物が時間をかけて土に戻ることで土の中に腐敗によって得られる栄養素が土に戻る感じです。

メリットは追加する意図的に有機物がなく、野菜や果物などの有機物が自然に土壌に戻ることでコストをかけないで良質な土を持続的に作ることが出来ます。また腐敗は発酵と違い、発酵の際は微生物が有機物を分解する際に窒素を消費するため、土壌中から窒素がとられてしまいますが、腐敗は有機物が分解される際に、微生物が窒素を分解し、土壌中に窒素が戻ります。これによって土壌中の窒素が再生され、植物の成長に必要な栄養素が供給されます。以上の理由から腐敗によって土壌の窒素含有量は維持されるか、あるいは増加する可能性が高いです。

デメリットとしては自然に存在する微生物を使って土壌改良をするので一部腐敗がされてないなどのコントロールができないことです。これで微生物活性剤を入れたら「発酵」の扱いになります。腐敗物にはまだ分解されていない有機物も含まれている状態で土を使うと生育に影響が出ます。また、動物の死骸が土に戻る際はその動物が食べていた物の中で農薬などが含まれている場合は農薬も残留されてしまう可能性があり、病原体の増殖や土壌の病気のリスクを高めることがあります。

発酵にも腐敗にも発生する「熱」

発酵や腐敗をする上で微生物が有機物を分解する際に必ず熱を発生します。

なので、発酵にしても腐敗にしても土を一定期間放置して、熱が落ち着くのを待つ必要がある。なかなか発酵と腐敗のイメージを理解するのは難しいけど、最初に書いた通り、発酵と腐敗の違いをいうと有機物を自然的に土の上に落ちて分解されることを「腐敗」といい、意図的に土の上において分解されることを「発酵」とまずはイメージした上で勉強すると理解しやすいと思うので何度も読み直してね!

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