どうも、大麻を育てるニューヨーカーことKei(@chill_5000)です。窒素固定について調べてたら想像以上にボリューミーになってしまったので前編と後編に分けました。後編では窒素に関するもう少し深い話を書いていきます。
(関連記事:元気な大麻に育てる際に超大切な「窒素」に関する話(前編))
脱窒(デナトリフィケーション)とは、微生物が硝酸イオンを大気中の窒素に戻すプロセスを指します。このプロセスは自然環境や人間の活動(例えば、水処理プラント)で重要な役割を果たしています。
読んでわかる通り、脱窒そのものが植物の育成に直接的に大切というわけではありませんが、脱窒は生態系全体の窒素循環において重要な役割を果たしており、植物は土壌からアンモニウムイオンや硝酸イオンの形で窒素を吸収するためには空気中の窒素が必要なわけであって、その空気中の一部の窒素は脱窒によって作られた窒素です。
だけど、さっきも書いた通り植物育成に対してはそこまで必要な話ではないのでこれくらいで終わります。
雷のことを「イナズマ」と言いますが、実は雷は空気放電することで大気中の窒素と反応して窒化酸素(主に一酸化窒素と二酸化窒素)を生成し、この窒化酸素は雨や大気中の水分と反応し、硝酸と硝酸塩(硝酸イオンを含む)を形成するんです。そして、この硝酸と硝酸塩は雨とともに地表に降り注ぎ、土の中の硝酸イオンが増えるって仕組み。
なので、雷が多い年は土壌の硝酸イオンが増える=窒素が多く含まれた土壌になることから作物がよく実って、豊作になることから「稲妻」(稲が実るという意味)と言われるようになったとか。
農業をやっていると窒素が多く含まれた化学肥料がたくさんありますが、これらの化学肥料は自然によって作られる窒素の量を大きく超える量が含まれており、確かに実りを増やすには便利だけど地球には良くないことが多い。
その理由は窒素を過剰に含んだ土で作物を育てることで、吸収されなかった窒素は土を通して川や海に流れてしまい、「富栄養化」を引き起こしてしまう。富栄養化が起こるとプランクトンが異常発生してしまい、その結果水面上を緑のプランクトンで覆い尽くす「アオコ」や赤のプランクトンで覆い尽くす「赤潮」が発生してしまい、その水域に住む魚が大量死するなど「富栄養化」は栄養分が多すぎることで生態系が崩れ、水環境が悪化するという問題を引き起こす。
自分は有機栽培をしてるので化学肥料は使わないですが、「農家が地球を壊している」と自分が思っている理由のひとつがコレです。確かに化学肥料を使えば大量に大きな作物を収穫できるのですが、1つしかない地球のことを考えると化学肥料を使うことが良い選択肢だとは思えません。窒素という重要な栄養素は動物の糞や死骸、植物の残骸など通常は廃棄される有機物からも取得することができます。
大麻栽培を持続可能な形でやりたいと考えている農家さんは化学肥料をストップして、是非有機栽培に切り替えて大麻栽培をしてください。あなたの行動が地球を救います!以上、窒素に関する話でした!
初めましての人へ