どうも、大麻を育てるニューヨーカーことKei(@chill_5000)です。今回は自分のファームでも蒔いた「緑肥」について記事にまとめたいと思う。良い大麻を育てるためには「窒素」が必要不可欠になるんだけど、この窒素を土に増やす際によく使われるのが「緑肥」を使った土壌改良です。
緑肥とは特定の植物を育て、その植物が窒素固定を行う菌類(例えば、豆科植物の根粒菌)と共生することで、土壌内の窒素量を増やし、土壌改良を行う手法のことを言います。主に豆科植物やイネ科植物がよく使われる植物です。窒素固定については「元気な大麻に育てる際に超大切な「窒素」に関する話(前編)」で詳しく書いてるからそっちを読んで。
大麻だけでなく作物を育てる場合は「窒素」がすごい重要な栄養素になるんだけど、多くの人は市販で売ってる肥料や動物の糞や死骸などで作られた有機肥料を買ってるけど、緑肥を使うことでコスパも良い、地球に優しい、最高の土壌を作ってくれる植物です。
緑肥が豊富な窒素源となる理由は緑肥としてよく使われる「豆科」の植物が窒素固定菌(根粒菌)と共生する能力を持っているからです。根粒菌は空気中の窒素を固定し、植物が利用可能な形に変換する役割を果たします。その結果、土壌中の窒素量が増加し、植物がより良く育つ条件が整います。具体的なメリットに関しては後で書くので先によく使われる緑肥植物の種類について紹介する。
豆科植物はクローバー(トリフィリムなど)、そら豆、エンドウ豆などが代表的な緑肥です。
イネ科植物はライ麦、オート麦、ソルガムなどが代表的な緑肥です。
キク科ではキク(菊)、マーガレット、ヒマワリが代表的な緑肥です。
1:団粒構造を作れる
2:土の排水性の向上
3:微生物を増やすことが出来る
4:栄養分を与えてくれる
5:マルチング効果がある
6:土のクリーニング効果がある
緑肥のメリットは6つあって、どれも大切なので1つずつ解説していきます。
団粒構造に関しては「有機大麻栽培をするために土作りの基本を勉強してみた」の記事で解説していますが、簡単にいうと健康で元気な植物を育てようとすると必ず「団粒構造が良い土」でないと、健康で元気な植物は育ちません。
良い土とは「保水性」「排水性」「通気性」が良い土のことをいい、団粒構造とは名前の通り団子上の塊が無数に土の中で作られている構造のことをいう。この塊がない状態だと「排水性」「通気性」がない土になってしまい、植物は元気に育たない。
では、この団子はどうやって作るかというと微生物が作ってくれてるんです。
そもそも微生物がいないと団粒構造が作れないので、微生物を増やさないといけないんだけど微生物が生きていくために必要な栄養素に窒素が大きく関係していて、窒素が多い土は微生物がたくさん増える=団粒構造の土ができるということになる。つまり、微生物が少ないと肥料をどれだけ与えても分解してくれる微生物がいないので良い作物が育たないってこと。
緑肥を使うことで土の中に窒素が増え、窒素が増えることで微生物が増え、そして団粒構造の土=良い土が作られるということ。
排水性が良い土とは与えた水を下まで流すことに優れている土のことをいい、なぜ緑肥が土の排水性に良いかというと緑肥で使われる植物の多くが根っこを地中深くまで直下型に成長することで地中深くの硬い土も柔らかく改善することができるからです。
植物は根っこが長く生えれば生えるほど健康で元気な植物になるけど、土壌改良していない土はカチカチで、結果排水性も高くないので不健康な植物が育ってしまう。それが緑肥は蒔いておくだけでどんどん成長して、根っこを深くまで伸ばしてくれるので土の中で隙間(団粒構造)ができて、排水性が良くなる。しかも、労力をかけないでほっとけば隙間がどんどん作られるのも良いポイント。
これも「元気な大麻に育てる際に超大切な「窒素」に関する話(前編)」の記事で書いた窒素固定に関係していて、窒素固定ができる「窒素固定菌」は主に4種類あって、その中の1つが緑肥植物が持っている「根粒菌」です。
根粒菌が根っこにあることでほっといても微生物が土の中で必要な窒素を作ることで多種多様な微生物が窒素を求めて、根粒菌の近くに集まり、繁殖していきます。多種多様な微生物が土の中にいることで病気にも強くなるメリットもあります。
元気で健康な植物を育てるには「窒素」がめちゃくちゃ大切なんだけど、さっきから何度も書いてるように緑肥は窒素を土の中で作ることができる窒素固定菌を根っこに持ってるので微生物の餌になる窒素が増えて、それらが窒素固定することで植物に栄養がいくようになる。
なので植えておくだけでも空気中の窒素を植物が取れる窒素に変換してくれるし、すき込むことで土壌に窒素を与えることも出来る。
またリン酸って大麻栽培をしてる人なら開花期に大量にぶち込みたい栄養素の一つなんですが、このリン酸って実は菌根菌がいないと植物に受け渡しができないんです。だけど、緑肥植物は菌根菌を持っているので土の中で使えなかったリン酸を植物が吸収できる形にして、土の中に再度戻して、さらに緑肥を土の中に混ぜることで土の中に栄養分を蓄えることができるんです。
マルチングとは土を覆うことで土の乾燥防止や土の温度を上げない、土の中の水分を保水したり、雑草を生やさないなどの効果があるので農業でもよく使われている手法なんですが、実は緑肥を土の上に引くことでマルチングと同じ効果がある。
緑肥をマルチングとして使う際に土の乾燥防止や土の温度を上げない、土の中の水分を保水などはなんとなくイメージがつきますが、実は緑肥のマルチングをすることでそれらの緑肥からも栄養素を取り出すことができます。普通にビニールのマルチングをするよりも圧倒的にコスパも良いのも魅力ですね。
植物を栽培すると土の中に必ず余分な肥料が残ってしまい、この余分な肥料が残った状態で次の植物を育てると障害が出てしまいます。
人間も特定の食べ物を食べ続けると体を壊し、そうではなくバランスよく食事を摂ることで健康な体になるのと同じで。植物も次に育てる植物にバランスの良い栄養素を与えたとしても土の中に残っている残留栄養素が土の中のバランスを壊して、植物を病気にさせてしまう可能性が高い。
だけど、緑肥を蒔くことで土の中にある残留栄養素を緑肥が吸い取ってくれるので土の中がクリーンになる力を持っています。特に塩分が土の中に残ると作物が元気に育たないんだけど、緑肥は塩分収集を積極的にやってくれるので結果として土の中がクリーンな状態になり、土の中の栄養素が偏らない良い土になる。
今回自分も改めて緑肥を調べて、まとめていたら緑肥の凄さを改めて痛感しました。緑肥ほどコスパも良い、地球に優しい、最高の土壌を作ってくれる植物はないです!ぜひ、緑肥を使ってお金をかけない、地球にも優しい、最高の土作りをしてください!
初めましての人へ